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対談(プロフェッショナルな人達)

透き通った空気の雑木林になかに、佇む小さな家…
樹木が私たちに与えてくれる恩恵は、計り知れないものがあると思います。

例えば、古代インドで自然の知恵を取り入れたヴァーストゥという思想・学問があります。 ヴァーストゥの思想によると自然は地・火・空・水・風という5つの要素で構成されています。

古代インドの思想での最高方位は北東とされていますが、古代中国の思想や、一般的な家相ではこの方位は鬼門と解され、厄を招く方位ともされています。

ここで大切なことは、すべてを鵜呑みにして、まじめに取り組み過ぎないでほしいということ。 「〇〇〇でなければいけない」といった、形にはまった考え方に捕らわれてしまっては、とても窮屈になって意味がありません。

いいかげん(よい加減)な具合がちょうどよいのです。 先人達のこのような思想に沿った物の見方、考え方を学び、それを手段として「自分が求める本物の暮らしに近づけること」が大切なことだと思います。

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雑木のプロフェッショナル
造園家:高田宏臣さん

雑木林の心地よさと暮らし

雑木の心地よさ

猛暑の中の仕事、農作業や庭掃除、散歩中等・・・・・
ちょっと休憩するとき、私たちは意識して「陰」に入り「涼」をとります。
そこに「木陰」があれば無意識にそこを選ぶことでしょう。

みんなが自然と集まる日本の代表樹木「桜」。

桜 桜 桜

木陰の下では、大地に揺れ映る柔らかい枝影と光、
枝振りが"サラサラ"と重なり響く音、
空一面を緑のカーテンで覆い隠すことで生じる風が、
より一層の心地よさを演出してくれます。同じ陰でも、人工物の陰と自然物の陰の性質は全く
異なることを、私たちは潜在的に感じ取っています。
満開の花びら、花散る瞬間さえ心地よいです。

山林にある遊歩道を歩いている自分を想像してみましょう。
自然公園内の雑木林。

雑木林 雑木林

大地は、石畳みか土の叩きで、枝越しに見える青空と太陽の光は、大地に陽だまりをつくります。 遊歩道を囲む雑木林が、ひんやりとした空気をつくり、その空気が温かい上空へ流れ出し、風を起こします。上空へ流れ出した温かい空気はやがて水蒸気に変わり、雨となり再び大地に降り注ぎ、雑木林や植物に恩恵を与えてくれます。

石畳 自然 自然 雑木

自然サイクルの中心に樹木(雑木林)があり、私たちの生活にとても重要な役割を果たしています。 陽を求めてしなやかに生長する樹木。

雑木林 雑木林 雑木林

そして、遊歩道や湖、渓谷やキャンプ場などに、樹木(雑木林)の緑があるのは当たり前のことであり、とても自然なことです。

イヌシデ

重量感豊かな樹皮から
想像できない、
可愛らしい繊細な
「イヌシデ」の葉

ヒメシャラ

表情豊かな
「ヒメシャラ」の樹皮

環(めぐりめぐる命)

当然、私たちの暮らしの中にも、昔から自然を取り入れた考え方がたくさんあります。

例えば、暮らしの三要素、衣・食・住の「食」の自然サイクルについて

食材

雑木林の庭で掃除した落ち葉を再利用し、良い土づくり(腐葉土作り)から始まり、自然の生態系を活かした野菜や食物をつくり、食材にならない部分は、落ち葉と混ぜ合わせることで、さらに良い土になり、豊な食を与えてくれます。

米を収穫したあとの藁(わら)は、冬の霜寒さに野菜がやけないように地面に敷きつめたり、肉や牛乳を与えてくれる家畜の食糧になったり、しっくい塗等の建築材料になったりとか、利用範囲は無限大です。

食=農のある暮らしであり、自然サイクルに見合った、当たり前のことを当たり前にする暮らしこそが、今後求められると思います。

雑木の心地よさと暮らし

雑木林の庭のある暮らしでは、このような自然環境をもっと身近に感じて実践してもらいたいと思い、建物内部だけではなく、建物外部まで含めた住環境をご提案いたします。

雑木越しに望む自宅や、向う三間両隣を含む「眺め」。 自宅内部から樹木を直接触れることができ、風や陽の動きを肌や香りで感じる「感性」豊かな、心安らぐ住空間をご提案します。

雑木の庭

(造園家:高田宏臣氏に師事〜雑木の庭の雰囲気〜)

住環境を創ろう

「住」の自然サイクル

ある空間があります。
柱や壁、屋根で間仕切った空間を「住空間」と呼び、一般的な住宅として分類されます。 最近はその住空間だけに着目して、自然環境をまったく無視した建築が多く建設されてきました。 そこに「住」の自然サイクルを感じることはとてもできません。

敷地一杯に建築された住宅は植栽するスペースもなく、窓を開ければ隣地の壁、最悪は隣地の窓ということも・・・これでは窓やカーテンも開けられない住宅になってしまいます。 また、エアコン等の建築設備の技術発展により、便利で快適ゆえに、休日ですら家に閉じこもる住空間になっています。

住まいとは本来、家族の会話や、子供や夫婦の成長とともに変化し、命を育む場所のはずなのに、社会や生活様式の変化を優先してきてしまった結果、緑の少ない住環境になり、本来の住まいから大分離れてしまった気がします。

緑を植えよう

樹木の緑

現在の住環境を改善するためにどうすればよいのでしょうか? 屋内に向けられていた意識を、屋外に向けることで改善できます。 ちょっと大げさですが、それは屋外に居間(ガーデンリビング)を設けるという発想です。 これで、休日に家に閉じこもるということはほとんどありません。

それには樹木の緑が必要です。
それも自然と一体化した、雑木林の庭が・・・。

樹木の緑

緑を増やすことにより、周辺の道路や、通行人の視線、自動車の排気音など、外部からの雑踏を消しさり、心地よい空間を作り出すことができます。

雑木林の庭とは、従来までの観賞用の庭ではなく、自然の生態系をそのまま住宅地へ取り入れ、コナラやクヌギ、ヤマモミジなどの雑木林を主流とした庭のことです。

住環境改善のための雑木林の庭づくり

雑木林の庭づくりは、従来までの庭づくりとはその仕組みがまったく異なります。
雑木林による住環境改善についての三つのポイントをお伝えします。

植栽に適した場所を選定する

通常の植栽は、朝日が上がる東側と、日当たりのよい南側を中心に植栽すると思います。 雑木林の植栽ではこれに、西側、北側植栽を設けます。 夏の住まいを冷却するために、北側の木陰が大切になります。

まず、風について考えてみましょう。空気は冷たいところから温かいところへと流れていきます。 夏の住まいを冷却するのに、この風の流れを考えないといけません。

家への冷気の吸い込み

北側に木陰を作る木立があれば、1日を通して北側の地面は温められることはありません。ここに溜められた冷気が、より温度の高い室内から南庭の空間に吸い込まれて、家屋に涼しい風を送り込むことができるのです。
北側に木立がなければ、ここに夏の冷気は蓄積されずに、西日による地面の照り返しが家屋を温めてしまいます。 北側の地面を夏の家屋を冷却する天然の空調装置として活用するために、北側の植栽が大切になります。

高木・中高木を中心に、建物際に寄せ植えする

森の中の環境に適応してきた自然樹木にとって、アスファルトやコンクリート等照り返しのきつい街中は生長しづらい環境であるということを考えないといけません。
雑木林の高木の場合、人の活動スペースとなる空間を設けなければなりませんので、下枝のない形状の木を用います。

これを独立して植えると、幹に直接日差しが差し込んで、木を弱らせてしまいますが、コナラ等の主木を数本寄せて植える事により、美観や微気候改善効果を損なわずに、成長を効果的に抑制できます。

寄せ植えによる樹木の役割

この方が、お互いに木陰を作り合うだけでなくて、1本当たりの枝葉の量を、より少なくすることができるからです。枝葉の量を減らすことは樹木の成長スピードを落とすことに直結します。

高木を寄せて、階層的に樹木を組み合わせ用いることで、それぞれの木々がお互いを守り合うのです。

建物際への植栽は、夏は木の葉が太陽の熱を和らげてくれるとともに、冬は葉を落とし、暖かい陽だまりを室内へ届けてくれます。 また、落ち葉等の越境も気にすることはありません。

雑木林の住空間を管理する
1、樹木の大きさや成長量の調整

木も生きており、生長しつづけています。 また、木々の種類や環境の違いで生長の仕方もスピードも全く違います。 長く良好な庭の状態を維持するために、生長の著しい樹木は太るスピードを抑える必要があります。

2、枝葉の占有スペースの調整
薪

人の生活スペースや樹木同士のスペースを犯さないように、樹木の枝葉のスペースをコントロールする必要があります。
人の生活スペースを犯す枝葉というのは、例えば家にぶつかる枝、雨どいにかかる枝、風道をふさいでしまう枝、人の通りに邪魔になる下枝などが挙げられます。

剪定後の幹や枝は、薪にも再利用できます。

3、風通しの調整
薪

快適な雑木林の住空間とするためには、風通しがとても大切になります。 風が抜けることで、日向と木陰の温度差によって空気が流れて夏の室内に冷気を送り込むことができるのです。
木柵には30mm以上のスリットを設けます。

風通しが悪いと、湿気もこもりがちで、病虫害や蚊の発生の原因にもなります。

4、光の量の調整

雑木林の庭には、高木があってその下に中木、さらにその下に低木や草花が、上下の空間を住み分けながら共存しています。 手入れによって庭が一つに生態系として良好に共存できるように、適度な光が林内に差し込むように調整することが必要になります。

健康な森林植生 健康な森林植生
5、雑草や落ち葉の掃除

これは、成熟した雑木林の庭では木陰が広がりますので、背の高くなる日向の雑草はほとんど生えなくなります。したがって除草はそれほど大変な作業ではなくなってきます。
落ち葉については、「1、雑木林の心地よさと暮らし」で記述したとおり、楽しみながら、腐葉土作りなどに活用していただけます。

もみじ 菜園
6、病虫害の対策と木々の健康管理

木も人間と同じ生き物ですので、病気にもなるし、その木が与えられた環境条件が悪ければ、活力が衰退していきます。
生きものの世界は繋がっていますので、当然虫もいます。その中で、人や庭の木々に対して大きな被害を与える可能性のある一部の虫や病気については、しっかりと対策していきましょう。

1m²から楽しむ雑木の庭

1平米程の雑木の庭 1平米からの雑木の庭

本当は敷地全体を雑木に囲まれて暮らすのが理想・・・
でも、敷地条件や建物等の関係で難しいという方でも大丈夫です。 たった1m²のところでも、中心になる木とそれに添える木、下草を組み合わせれば、緑にあふれた小さな雑木の島ができます。

だから小さな家

普段着で暮らす

雑木林に囲まれながら、快適に暮らすための三つポイントをお伝えします。

敷地の四隅に空地を設ける

建物の配置計画は、方位、日照、水はけや風通し、接道面や駐車スペース、近隣住宅の雰囲気や給排水などのライフライン等、敷地の諸条件を読み取って計画されます。

従来、建物の配置計画では、接道面または一方の隣地面に対して平行、もしくは垂直になるように計画されてきました。可能な限り建築面積を満足できるように・・・。

雑木林の建物の配置計画では、樹木の配置を事前に行います。 そして雑木林の効果が最大限発揮できるように、建物を少し回転させ、建物の四隅に植栽空地を設けます。

【 設計サンプル〜樹木を優先した建物配置例 】

設計サンプル〜樹木を優先した建物配置例

これにより、雑木林に囲まれた住環境を整えることができます。 そして、建物外部から観た雰囲気、腰窓の形状や掃出し窓の位置など、建物内部から観た雑木林の雰囲気をイメージしながら配置計画されます。

模型をもとに外部空間を立体的にイメージします。

建築模型
建築模型

事前に樹木の位置など外構計画が分かっているので、植栽時に既存のコンクリート瓦礫やアスファルトを撤去したり、給水管や配水管を再接続する工事もなくなり、施主にとっても無駄な費用がかかりません。

建物の建坪を20坪以内に

一般の宅地分譲では、60坪前後の広さがよく見かけられます。 建物の建坪を20坪以内に抑えた場合、敷地の形状にもよりますが、建物から平均2.5m以上の空地ができ、そこに植栽するスペースが確保できます。

建物の建坪が小さいからといって、決して狭い建物という訳ではありません。 雑木林で囲まれた外部の居間(ガーデンリビング)があります。

カフェ ランチ

そこでコーヒーや紅茶を一服したり、家族や仲間内で食事をしたりと楽しめます。 内部の住空間では、建築設計の工夫が必要になります。詳細は「だから小さな家」をご覧ください。

薪ストーブ

せっかく、母なる大地を手に入れたのだから、もっと大地を楽しみましょう。
住宅と関連して、季節ものを収納できる小さな納戸を造ったり、落葉ストックをつくり、落葉拾いをしたり、薪ストーブやピザ窯をつくって料理に凝ってみてもよいかもしれませんね。

最近の住宅は細かく部屋を区切り、各部屋に○部屋と用途を決めつけ、必要以上に床面積だけが増え、敷地一杯に建てる傾向が見受けられます。 敷地一杯に建設するがゆえ、外部空間は駐車スペースで一杯になり、屋根の軒出も短くなるため外壁も腐朽しやすくなります。 これでは、庭に樹木を植栽する余裕はありません。

建築模型

敷地の四隅に空地を設け樹木を植栽するには、建坪を抑える工夫が必要です。 つまり、建物の延床面積を減らし、屋外と屋内の住空間を一体的に設計することです。

それには、本当に必要な住空間をよく検討し、様々な用途を、複数兼ねることが出来る部屋を吟味し、スマートに暮らす必要があります。

だから小さな家

小さな家だからこそ、充実することがたくさん・・・6つのポイントをお伝えします。

小さな家なので建築コストの削減 建築模型

ただし、安い材料や建材を使い、ローコスト住宅を建てるという訳ではありません。
木材や仕上げの素材など、自然サイクルに適した材料を選別し、住宅の品を落とすことなく環境に配慮した愛着のある住宅になります。集成材ではなく無垢材が理想ですね。

住み手の工夫が、小さな家を成長させます。

内部の住空間では、流動的な間取りと住み手の工夫により、家族の成長に対応した住宅となり、無駄なスペースが生まれません。
例えば、間仕切りを本棚や洋服棚で仕切り、回廊性を高めて、天井の空間を広く見せたり、家族全員が勉強できるようにと、長い机カウンターを設けたりと様々なアイデアが生まれそう。

小さな家なので、荷物の性格にあった収納スペースのみ確保します。

私たち日本人は、とにかく荷物が多い人種のようです。これ以上荷物を増やさない方法が確実ですが、 今ある荷物については、荷物の性格を把握することにより、ある程度整理することができます。

1.いつも出てきてやたらと動き回る荷物

雑貨

例えば:テレビのリモコン、コーヒーカップ、本、下着や肌着、歯ブラシ、ヘヤードライヤー、箸や鍋、フライパン‥等 収納してもすぐ出てくるので、壁に掛ける、棚に置くなどして、見せる(魅せる)収納とした方が綺麗ですっきりします。

2.たまに出てきて必要に応じてて動く荷物

雑貨

例えば:スーツやドレス、バックや帽子、百科辞典、スポーツ用品、座布団‥等 頻繁に使わないけど、たまに必要なので、手の届く場所(物入)に収納します。

3.久しぶりに出てきてすぐ隠れたがる荷物

雑貨

例えば:旅行のスーツケース、ひな祭り雛段、鯉のぼり、季節物衣料、段ボール入り荷物‥等 日常使用しないので、スキップフロアによる床下収納や、ロフト、外部物置等に保管します。利用頻度がなければ、思い切ってリサイクルやレンタルとゆう手法もあり?

住宅の床面積に、納戸や倉庫を必要以上に計画してしまうと、使用用途は倉庫なのに、住宅としてその分の家屋税も払わなければいけません。何かおかしいですね?
雑貨 収納スペースが広く、押入れが多ければよいという考え方は、小さな家ではライフスタイルの考え方をちょっと変えることにより、クリアできる課題です。

住まいの中心を食する所に 台所は火の所

食する事とは、植物や家畜の命を食する行為であり、人の命の源です。
一方、読んで字の如く、人を良くするとして食と書くように、食を大切にする事により、私たちは人として成長でき、食を通して小単位である、家族間のコミュケーションを築いていきます。

コミュニケーションの基本は「話す」ことです。
語源は「手放す」からきており、自分の考え方を相手に投げる(手放す)ことにより、相手がそれに対する意見や反論を返してくれる・・・台所は火の所 つまり、自己確立の第一歩であり、人間力を育む手法といえます。

つまり、自己確立の第一歩であり、人間力を育んでいきます。 ここで培った人間力は、いずれ社会人として自立したときに、大きな差として表れ、またそれぞれの小単位である家族間のコミュニケーションを育んでいきます。

本来、一つの炎を家族で囲み、暖をとり、食をとり、家族の集まる場所であった食する所を、小さな家では、三間角の空間に取り入れ、食事はもちろん、家事や読書、子供の勉強や工作など、様々な用途に使用できるよう設計します。

子供部屋に必要最低限に

子供部屋は、個人の自立を形成するうえで必要な部屋と思います。
しかし、子供部屋を無駄に広くしたりすると、テレビやパソコン、場合によっては冷蔵庫・・・等、生活習慣を持ち込み、そこで閉じこもる習慣になってしまいがちです。

本当に子供部屋が必要な時期は、高校受験や大学受験の一時であり、日常は着替えて寝る空間、つまり3帖程度あれば十分ではないでしょうか? 子供たちはいずれ成長し、出ていくことを考えれば、子供部屋の面積を減らし、短い家族の時間を一緒に共有できる、食する所の面積を増やしてあげたがよいと考えます。

部屋を上手に使って始末する

本来、日本人は同じ部屋で様々な用途に使用して生活してきました。
家族がゴロゴロする団らんの間であったり、客の間であったり、寝る間であったり・・・
そしてそれらの用途に入る度に、いつの間にか自然と始末することを覚えます。

台所は火の所

始末することとは、次の工程(用途)に入る前に、前の工程を片づけて、新たな工程を始めること。 これらを繰り返すことで、物事の段取りや始末することの大切さを学び、家族間のコミュニケーションが高まります。 和室1室あれば、多目的な用途に使えます。

だから小さな家が良いのです。

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