建築士と庭師の手帖~雑木の庭のある暮らし

秋草穂の候

家にいたら、延々と動き続けてしまう。

庭に出たら、なかなか戻ってこない季節があるように。

 

風景は常に微細に変化し続けている。会社の組織も、常に変化の連続である。

 

母の味噌づくりは、毎年9月。
気温も湿度も測ることはない。
身体がすべてを知っていて、古道具を相手に仕込まれる。

母はレシピを書こうとはしない。こちらが聞いたら、聞いた時間だけ無駄なよう。

 

大豆を蒸す火は、薪ですし。


大豆を蒸す火加減いや・・・ここは炎加減と申しましょうか、見て捉えるしかない。

覚えるというより、風景として心にしっかり留める。
メモより、画像とか、絵として留めておく必要がある。

 

翌朝の麦の発酵の香り、状態、

すべてを論じていたら肝心なことが伝わらずに終わってしまう。

それは悲しいこと。

 

そのまま、生きてきた姿を受け入れ、次につないでいく、ただそれだけの事。

 

 

 

役目と目的を明瞭にしておくことは、庭についても家についても大切です。

 

 

 


樹木の移動

梅雨明けから、突然現れた灼熱の太陽光線に

「今年はまたしても去年と違うな」「これはスペインだな」とかスペインに行ったことはありませんが、
とにかく日中、外を歩くのが辛いくらいです。

 

そんな気候ですから、樹木の移動を早朝6時にしました。
樹木高さは40cm程度ですが、根は深く、寄せ植えしている樹木と複雑に絡まりあっていました。

水はたっぷりと、幸いにも台風が大雨を持ってきてくれる!

現場は姶良の『雑木林と8つの家』の4軒目の庭です。いよいよ4軒目の建築施工が始まります。

その宅地内には既に、部分的に植栽がされております。その植栽が意図的に、植えられていること。これこれがこれが雑木林と8つの家のコンセプトです。

日本古来から在る樹木が混合密植され、8つの家と庭一帯が互いにつながりあい、住宅地のなかに
雑木林の森をつくっています。

これは私の師である高田造園の高田宏臣師が背中を押して下さった言葉ですが

みどりは共有財産で、木陰で休めればお陰様、
落ち葉掃除はお互い様、、
あくまでも、森をつくるのが目的でなく、住環境(家と庭、自分の庭でなくとも結構!結構!近隣住民が享受できる庭)がおおらかな人の心を育み、それぞれの日常にゆとりと、ゆたかさを取り戻せたら、という願いにも近いコンセプトです。

雑木林と8つの家はそういう開発業者である姶良土地開発様の情熱と誠意、それにひとつ返事をした
高田師、熊本阿蘇の古閑氏。そして、そのコンセプトで購入された時政夫婦、丸和建設、池田夫婦、
今回の棈松夫婦。
たぶんですが、これは私の憶測ですが

ここを購入される方は、コンセプトを充分理解、納得したというより、この地が引き寄せたといっても
過言ではないのでは・・・

ここに携わる私達造園関係者や建築関係者も互いの立場や、私心、
そういう一切合切はさて置き、和となって働くことになる。

和というのは穏便にということではなく、道理を開くために凡人である私たちは話し合いを重ね合点を
積み重ねていくことが大切だと実感しております。

 

 


ストレス

ストレスは受けても、溜めないことなんですね。

 

考えや思い巡らすことを止める。捨てる。

迷走よりも、瞑想。

 

 

トトロ、本日3回目の鑑賞。夢をみる力は生きる力そのものですね。

 

時々、妄想的になるくせがありますが、夢と現実の境目をウロウロする時間が好きですね。

 

 


ガクアジサイが好きになる

 

雑木の枝葉からこぼれた光のなか
泳ぐように、揺れる額紫陽花。

 

 

枝葉の先にはクサギカメムシが卵を産んでいる真っ最中。

 

あらゆる植物の果樹や茎、葉の汁を好むので、見たら、枝葉を揺さぶり落とし、踏み潰す。

卵も。

残酷、でしょう・・・

 

でもその死骸は、蟻が全て残さず、解体した足まで持ち去っていった。

 

 

真昼の惨事は、コツコツと行われ、滞りなく進んだ。

 

 

明るい方へ、明るい方へと向かうのが生命(いのち)

それが喜び。ただそういう、いちにち。

 

 

蝶のように、ひらひらと。

 

その姿は真に向かう姿。それであれば、美しいはずだ。

 


新緑の庭

 

今、おかれている環境で花を咲かせよ。

とはいいますものの、植物はどこまで知っているのだろうか。

どこまで感じとることができて、、全く違う環境で芽吹き、花を咲かせ、実を成らすことができるのだろうか。

 

3月に植えた吉野の住宅地街のなかの庭木。

新緑の葉を柔らかく伸ばし、木陰がゆらゆらと流れていた。

月明かりで、そこの和室窓から眺めてみたいものだ。

 

樹木は枝葉、根、すべてで感じとったままを全体にめぐらし、確実に根付こうとしていた。

 

日々、自分にとって必要な情報をキャッチし、「自身」を更新している芯の柔らかさには驚く。

 

生きているかぎり新たな変化をし続ける柔らかさ。

庭は、暮らしによって変化し続けてくれる良き相棒にしていきたい。

 

これは、ご主人お手製、鳥の巣箱。

樹木につく害虫は鳥に食べてもらおう作戦。

鳥好みの樹木も植えました。

 

これから実るブルーベリーとジューンベリーだけは鳥と子どもと競争することになるだろう。


樹木の施肥

穀雨(4月の雨)までには肥料をあげておきたい。

枯れ葉に包まれていた新芽も日に日に勢いを増して開き始めています。

 

今日はもともとシラス土壌の土に施肥をしました。

 

★材料

①山の雑木を炭にしたもの

微生物のすみかを作ってあげる。

 

②野菜と果物の酵素(手づくり)

飲んでも良く、微生物の発酵を促します。ちなみに醤油に混ぜると絶品だった!!

③バーク堆肥

ニシムタで購入。これについては落ち葉ストックがあれば、それを使用できる。(循環がみえる)

 

 

穴を掘り、炭とバーク堆肥を混ぜて入れる。その後に酵素を薄めて浸透させる。

 

 

 

翌日は4月の長雨と雷予報。

春の雷も好きです。


まちの風景としての役割

雑木林と8つの家では現在、2組のご家族が住み、もう2組は建築設計中のご家族です。

今日は皆さんと一緒に、最初にポイントをお伝えしたうえで、実際にご家族で剪定を行っていただきました。

 

ここの8つの家々は雑木の樹木が互いに重なり合い、一帯が雑木林の風景になるのを、住み手で育てながら暮らしております。

 

簡単に、簡潔に申しておりますが、この住人のみなさんで剪定するという日に至るまで、様々な専門家の長年の知恵の結集が今日という大切な一日になったと思っております。

人の長年の知恵と技術と、情熱。

その専門家達の目的、それは人は新たな暮らしの中でも心を満たし、つむいで生きていける才能を持っている。それを確信しつつも現実には為し得ることの難しい構想でした。

 

山、田んぼ、畑、川、海それら自然界と人の暮らしがつながっている、これが生命の理想かもしれません。

でもその自然が減ったとしても、人と人が何かを通して心がつながるその瞬間、人は自らを幸福感で満たすことができるのです。

 

それは人を信頼する力です。

 

 

それを目の当たりにしたのは福島での復興支援プロジェクトに参加したときでした。(庭JAPAN

 

特別な大災害に見舞われた人だけでなく、誰もが抱える問題(子どもでも大人でも、大なり小なりありますよね~)を和らげてくれる力を人は持っているのだなぁと。

 

今日は、そういう人々に寄り添っている樹木の様子が、本当に誇らしく見えました。

 

 

娘さんの一眼レフで捉えたモノは!どんぐりの芽が出たばかり!

 

 

 

 

 

 

 

南側のお部屋にのびる木陰。

そして東西南北どの部屋からも緑がユラユラ。

 

多種多様の樹木の木陰に見守られながら育つどんぐりの芽。

様々な新発見、さすがは春の庭でした。今日はその楽しみをみなさんと共に出来たことが、なによりです。

その後は近隣の住民祭“ご近所ピクニック”の様子です。

 

スケールは大きい方がいい!

 

 

池田さんのちらし寿司、時政さんの焼きドーナツ(いつか食べてみたいと思っていました)、ティムの桜ロール、社長の卵焼き、肉の神田のトンカツ、婦人のサンドイッチとチーズケーキ、無駄にはしてないサンドイッチの残り揚げたてパンの耳、スティック野菜に果物、そして山下さんちから出てくる出てくるワインやビール!!

 

風が強く吹けばゆらゆらと木陰を動かし、笑い声とともにまだ眠っている樹木を呼び醒ましそうなくらい、にぎやかでした。

 

 

みなさま、ありがとうございました。

次回はピザ釜作りでしょうか・・

 

 

 

プロセスを楽しむ

 

この庭は子ども達が健やかに育つことが基準。

100%完璧じゃなくていいから、まずは初めての庭づくりを楽しんでみよう!

 

 

はじめてのペンキ塗り、

 

「ちょっと待って!!」「ちょっとちょっとっ!!」「ほら~!」

なんでかね、大人が熱中することは子どもも同じ。真剣です。

初めてのことだから、尚更大人も余裕無し!

 

親子で初めてのペンキ塗り。近所のペンキ塗りベテランのお友達も一緒に楽しみました。

 

奥様は意外な自分を開拓してしまった・・・という感じでしょうか。

 

ご主人は奥様のこと「ペンキを塗るようなひとじゃないんですけど・・」って、本当ですか?

 

 

ご主人、女は変わりますよ。

特に、母親になったらホルモンから変わるから、人間がかわったんじゃないかと思えるくらい。

 

 

親になって見る世界はきっと子どもが運んできてくれた新しいHAPPYなんでしょうね。

 

子ども達の自転車置き場スペースは廃レンガを敷きました。

北風が時間経つごとに冷たさを増していく。そんな最中での庭仕事。

 

煉瓦と煉瓦の間は残ったシラスを埋めました。

端々も煉瓦で埋め尽くさず、腐葉土と黒土を混ぜてカモミールとラベンダーの苗を植えることにしました。

 

煉瓦の目路を縫うように、苔が生えるか、カモミールのこぼれ種から芽が出るか・・・楽しみです。

 

 

父親が造った自転車スペース。

廃材煉瓦を撫でるように、街灯の影がゆらゆらと語る。

よく頑張った!と。お腹もすっかり空っぽになって、達成感が身体の疲労を救ってくれる。

これにビールも加わり、間違いなくよく眠れることだろう。

 

ようこそ我が家へ!

 

 

子どもへの安心できる住環境は、わたしたち大人、親が創っていると実感した一日でした。

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 


ともに感じ、ともに育つ

 

男の子ふたり。

彼らが、わたしたち大人に庭を造らせたと言っても過言ではないだろう!

 

今回の庭造りは住宅密集地街区、約20坪の庭におよそ30本程の雑木を植え込んだ。

男の子ふたりを育てる中で、自然が日常的に、そして一番身近に欲しいという願いに満ちた要望だった。

 

のびやかな庭をつくろう。

それは庭に夏休みの研究材料がころがっていたり、隣の畑を通りぬけ裏山に探検に行ける扉を造ったり、

塀や門塀は家族みんなで塗ったり。

そういうひとつ、ひとつの庭仕事や庭研究を家族みんなで、ともに感じ育ち合える庭になるだろう。

 

それは、

ここに住むMother(施主さま)目線から生まれた賜物。

 

樹木は阿蘇のグリーンライフ・コガさんから雪ごと運んで来られた山で育った雑木。

 

生まれも育ちも鹿児島とは全く違う環境だから、ゆっくり、ゆっくりと歳月を重ね、この環境に淘汰されて変化し続けていくことでしょうね。

どんな変化のしかたをするのか、私たちも楽しみです。

そういう変化が庭でおこること、

それが子ども達の『豊かさ』につながるとMotherは話して下さいました。

 

今日も最高のよろこびをありがとうございました。

 

 

自然に変わること、目に映るすべてがメッセージ。

 

 

私の師である高田氏の言葉「こころの原風景」をつくること。

 

 

雲ひとつ 流れる 青さが 見える

陽ひとつ 漂う   香りで 冴える

風ひとつ 揺れる  枝葉に 舞う

 

 

一本の樹で風景がつながる。

 

 


森はあなたが愛する人を守る

宮脇 昭先生の著書のタイトルです

宮脇先生は世界(そして世界中で…)で一番多く、木を植えられている方です

麦わら帽子がトレードマークの素晴らしい先生です

今回、霧島市の企画する植樹祭に参加しました。植樹リーダーとして初参加です

各班ごとに、タブノキ、アカシデ、ヒサカキなど、様々な樹木の実生が用意されています

ショベル×2ピッチの間隔で密植していきます。後は自然の力に任せて成長させる「宮脇方式」です

子供たちに土に穴を掘り、植物を植えさせる喜びを伝える絶好の場所です

総勢、400~500名の参加です !!

こんなに人が集まるなんて…感激しました

この区画がいずれ林になり、森になっていくのですね。

今年も残りわずかとなりました

お客様のお陰様でたくさんの樹木をお庭に植樹することができました

心から感謝いたします

また、多数の問い合わせや植樹の依頼などいただきましたが、私の対応が行き届かずご迷惑をおかけしましたことを心から陳謝いたします

来年も何卒、よろしくお願い申し上げます