建築士と庭師の手帖~雑木の庭のある暮らし

 

夏の朝、台所に立つ。
覚めたばかりの体に冷えた水を流す。

 

 

今年は長雨の梅雨から急激に灼熱が上昇して、野菜が高騰していて
母は収穫の少ない苦瓜を刻んで、灼熱にさらしている。

自然界の光と風が、もったいないと言わんばかりに。

 

 

自然光と空間の関係。

 

もったいないと言わんばかりに早起きしてこの光のなかに体をゆだねる。
庭の雑木がゆらゆらと風に漂い、
木漏れた光は、部屋を小船のように揺らす。

寝返りもせずに、ぐったりの寝た朝はまだ疲労が頑固に残っている。
停滞している部分をゆっくりとほぐす。


リネンから透けて見える南側の光。
ぎゅっと光をしぼり、外からの視線も気にせず
明るい庭にゆっくり視線を向けることができる。

 

 

北の空。
安定した光は青がきれい。

 

東西南北、それぞれに役どころがあって、

「北向きの土地」は北側の冷気を部屋中に送れる装置として機能させる。

春夏秋冬、くるくる変わる様相に寛容に応えられる住宅と
老いても容易い土地、環境が求められている。

 

 


師との庭仕事

 

姶良土地開発さん分譲地の「雑木林と8つの家」の3回目の植栽。

今回は宅地分譲(いわゆる建築のための締め固められた土地)された土地の
「土壌改良・水脈づくり」が加わった庭仕事、だった。

千葉から到着後、直ぐに始まった指導!
阿蘇のグリーンライフコガ社長、共に千葉で学んだ息子さんの古閑英稔さん、
高田造園の女庭師(愛車は軽トラ)竹内さん、姶良土地開発さんも
師匠高田の溢れ出る智慧と実践をゴクゴク飲み込めるように注視集中。

 

聞くのに必死で、そこに疑問すら浮上してこない。
一切を捨て、その一点に、一心に身を注ぎ込む。

 

 

実家吉田の山から、母の手を借りて伐採した孟宗竹。
ただ朽ち果てて山に山積していくだけの孟宗竹、
クズになった木炭が始末された。

この土壌改良方法が、宅地分譲された土地には効果的だと教わった。

 

 

あと、8つの家分の土壌改良は、おいおい住人で、楽しみながらやっていけたらと、
思えるくらい。おもしろい。

 

解説を聞きながら、
村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』の一説を思い出した。
~まっすぐに延ばせば月にだって届きそうなくらい、
長く深いため息をついた。
ぼくは凄く驚いたのだ。ごく控えめに表現して。~

 

 

これ以上の表現があるだろうか。
宇宙とのつながりを身近というか、
同化する様なくらい感動してしまうってこと。

 

それと、連日連夜でビデオを見させられているせいか
宮崎駿作品の『ポニョ』の世界観も、これと同じだ。

 

行きつく先はみな同じ、だねって竹内さん。

 

 

 

水脈づくりから、植栽モードに切り替わると、樹木が瞬時に、投げ入れられ
いっぺんにして、風景が変わる。
この家の住人(実際はお隣さんです)さんも家の中から驚きで、、、

お子さんも体感できて良かったです!

 

フランスドアと緑の小道もやっとつながりました。

 

 

お散歩されるご老人が、それまた風景になり、そよそよと春らしくなってきました。

 

さぁ、自邸もマッハでみなさん頑張っております。

技、感謝。


シーズマザー自邸

家をつくるときは、まずは間取りからと、思っていました。

当然。

 

それが、今回は、ドアや窓、照明器具から始まりました。
1年前にすでにフランス、リヨンから取り寄せたアンティークドア、窓・・

 

 

 

これが日本のサイズとは大違いで。
背格好から違うからですね。
住まい方、気候が違うからですね。

 

でも、うちのひとは「生まれる前はフランス人だった」みたいなので。何か、あるんでしょうね。
ずっと心像風景、なのか脳裏に引っ付いて離れない、何かがあるんでしょうね。

 

ドアとか、窓に。

ああ、あと素焼きのテラコッタ600枚。

いよいよ週末、お隣さんと同時に雑木の庭を造ります。
お隣の庭とシーズマザーの家をつなぐようにして、緑のトンネルをつくります。

 

「所有権が拡がる考え」と
チームネットの甲斐さんがおっしゃっておりましたが、本当にその通りです。

 

 

甲斐さん、スマートな考え方が素晴らしく、またお会いしたいです。
自邸をご案内した際には、北側窓の大開口をう~ん!いい!これは夏、涼しいぞぉ。

と、嬉しい表現です!
冬、冬の対応はロケットストーブとバルミューダのスマートヒーターで。

 

甲斐さんの様な
スマート的対応も、併用する暮らしです。


窓、されど窓。

彼女の要望は

プロヴァンスの田舎窓。

 

窓辺に風景があり、物語があるという、窓を要望された。

第一、気候が違う。プロヴァンスの乾燥と鹿児島の湿度の理解をしてもらい(!)

今回は建具も作る大工さんのお陰で、一部、木建ての窓をオーダーする事になった。

 

サッシではない分、気密性や性能がまったく違う質の物になる。
窓そのものに、外的環境が遮断されないのだ。

フランスのリヨン郊外の窓もそうだが、人とのつながりが失われていない環境だからこそ、
窓は、いきいきと暮らしを映し出してくれている。

窓はその地域の気候文化そのものだ。

 

さてさて、その打ち合わせ。

左が棟梁、右は今回木建てをお願いしている大工さん。

皆、建築に携わりながら、それぞれの技術が合せられる話に熱が入ります。

 

風景を見て、遠くの山の景を絞りつつ、接近している住宅が隠れるスリガラスを入れる予定です。

 

 


大工さんの仕事

新築:まちなか森暮らしの家

場所:雑木林と8つの家分譲地(姶良市西餅田3435-13)
姶良駅JR沿線です。

☆いつでもご覧下さい。

 

長年、福岡で大工をされていた棟梁は黙々と金槌を打っております。

構造上、筋交いを多く入れ、大工の技の美しさと大変さが実感できる一時です。

鹿児島の木材、プレカットを使用し、美しく組まれていきます。

天井と床に挟まれ、見えなくなる部分。これから何十年も、見えないままの美しい部分。

見えないところにこそ真実。

“よかど!認証かごしま材”

 

これは合板。

 

構造上、筋交いを多めに入れたので、金具も2倍必要です。

そこで窓の位置。風のながれ、12ヶ月の陽、暮らしの様々な場面を想定し、予算との兼ね合い。

 

大工さんに、気持ちよく働いて頂くこと。
人はやはり心で働き、それが、宿る。

カットされた、かごしま材木(杉)で遊び始めた子どもらを見て
ヤスリをかけてくれた大工の奥様。
いつも棟梁を手伝い支えながら、現場の美しさを保って頂いております。

「わたしの子ども達はこれにアイウエオを描いて遊ばせてたわ」

自分の家を造った材木が積み木になるなんて、子どもながら、相当嬉しい様子。

木の柔らかさが、全く違う。
音も違う。

新発見~!

 

 


住宅地に雑木林の風景がつながった

 

2歳半と3歳半。

あなたたちの未来を毎日つくっている親世代は
猛烈に働く世代。

あなたが肌で感じていること、もう少しゆっくり、記憶に留めておこう。

 

 

危険なこと、けんか、、おやつせがみ、色々な騒々しさのすべてが庭づくり。

大人のまねごとをする度に、親の考えを身体で受け、成長していく。

親の日々の姿そのものが、その子の血や肉になっている。

そのくらい子どもにとって、親がつくる環境はリアルだな、

 

どんぐりが落ちる音や、

落ち葉がアスファルトを舞う音、

いくつもの嬉しい楽しい、時には哀しい寂しいシーン。

スマホにもない、絵本にもない、

実際の体感をリアルに表現している自然さを、

慈しむ瞬間が過ごせたら、どんなにか幸せだろう。

 

 

それを伝えるために私はどうにか、、

親になれたのだろう。

 

同じ親世代として、出来ることをさせて頂き、本当にありがとうございました。

 

今後も、お隣さんの手入れと共に、末永いおつきあいをよろしくお願いします。

 

ちなみにお隣の紅葉。

 

本日のお客様は、お隣さんからのご縁でした。
雑木林の風景がつながり、グリーンライフ古閑さん共々、嬉しい限りです。

 

 

 


上棟式

棟が無事あがり、大工さんへの感謝も含め、お祝いの儀。

我が家では準備に騒動で行われていた。
子どもは大喜び!まるで前夜祭だった。
準備は母を中心に。
小銭は夜な夜な・・包まれ。
餅は我が家の田んぼの餅米でつくことになった。


消費税分の加算分は大きいな、と思いつつ・・できるだけ、
自分たちで出来ることは家族でまかなった。

家族総出。
いつも、その手伝いがあってこそ、助かっている。

 

手間がかかることは大変なほど“物語り”になるから、たのしい。

 

あはははっ~!!!

 

翌日、熱でぶっ倒れた。
一時、休息!

 

上棟式は合計10万円程度。
【内訳】
・大工さん9名ぶんの弁当と温かい蕎麦(昼食)
・大工さんと出席する家族分の仕出し弁当と温かい吸い物(上棟式用)
・投げる飴菓子
・投げるお金3650円(郵便局で小銭に両替。手数料なし)
・焼酎・ビール・ノンアルコール・お茶
・御祝儀として人数分

 

餅や、食器、お湯、温かい料理などは自前ですませました。

 


徹底予算内

わが家の建築設計中。
仕事の休み休み間で話しながら、間延びしたり脱線、夢暴走しつつなので
すでに2年が過ぎようとしている。

そうこうしているうちに子どもが育ってしまうので、
子どもが育てながら自分たちで新しい日常を作る「場」として
その母体を1200万で建てて欲しい、と。

内心、はぁ~きたぞ~・・1200万円の家というわりには3000万以上を要求し、
もしくは完成型がなかなか見えない未完成状態が続きそう。

未完成のまま引越しをし、自分たちで、徐々に造っていく家になりそうです。

 

 


早朝のどんぐり

雑木林と8つの家のどんぐり。

コナラのどんぐり苗づくり。

今年は畑の土と山の環境で育ててみることにします。

 

バックミュージックはとなりのトトロでした。

「こ~ど~ものときに~だけ~あなたに訪れるぅ~不思議な世界ぃ~♪」

住宅街区でも夢みる世界が拡がっていて、、以外に住宅街区だからこそ、残っているのかもしれない。


家族

我が家の田んぼの稲穂は台風の目にあたる前に刈られた。

日々、出向き、手をかけ、目をかけ、その年の気候を身に染みこませ判断を効かせる70を過ぎた親。

その姿の背景に有るものは、家の固有性。
母や父、その祖父母またその祖父母・・・、
家は独特な歴史を持ち、生活文化であり、
その母なる環境でわたしは育ち、こうして命をつないでいる。

 

それを大切にしたい。

 

 

 

米なしでは命の基がつくられないなと、つくづく思う。

点滴につながれて、命に別状はなくても、
炊きたての米を食べられなくなっては、元氣がなくなるのは当然だと言いたいのです。

米を食べないと氣が入りません。

わたし自身、前世はフランス人ではないかと思う程、パン党。
米はわたしが生きている、いのちそのもの。

全身を巡って、頭のてっぺんから熱が湧き出てくる。

日本人の農的思考がここにあるんだな。

 

家族がつながっていて、集落一帯の風景をつくっている。

そこには柔らかい、あたたかい、真実がある。

 

 

家族で庭を造ろうと思い始めたら、そこから始まる。
広大な敷地でなければならない、という話ではない。
田んぼをつくらないといけない、という話ではない。

そこから家族の歴史の壱ページが始まる、たいせつなオープニング!